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雲南映画道場に参加して
/早川由美子
 
私は、4年前に家庭用の小型ビデオカメラを数万円で購入して、遊び感覚で撮影を始めました。映画学校に通ったことも、映像関係の会社に勤めたこともありません。見よう見まねで撮影や編集をしながら、現在に至っています。
 
高価な機材をそろえることや、技術ばかりを熱心に勉強しても、良い作品を作れることとは限らない…という思いが自分の中であり、これまでワークショップの類を受講しようと思ったことはありませんでした。
 
しかし今回、雲南映画道場に参加した自分の経験を振り返ると、これまでの自分の作品作りが、映像制作のほんの表面をなぞった程度のものであった、ということがよく分かりました。
 
映画の構造を”音”という世界から分析・構築してみること、最高の結果を得るためにきちんとした機材と知識を用いて録音をすること、他の映像制作者たちと共同して作品を作るという過程etc、外から刺激を受けたことで、映像を別の視点から見ることが出来るのだ、ということを実感しました。
 
特に、菊池先生のワークショップで、音の録音のためだけに大理の町を歩き、先生がある四辻を指差して「ここは良い音が撮れるだろう」と言ったときに、”映像”という視点で風景を見る習慣に捉われている私にとっては、(映像的にはたいしたことがなさそうな風景だけど…)と不思議に思いました。
 
しかし、実際に音にだけ集中してその場に立ってみると、買い物帰りの歩く人、遊ぶ子供、忙しそうに過ぎていく自転車、子供をあやす母親の声…と、さまざまな音の世界が広がっていたのです! これは私にとって、顕微鏡で覗いてみたら、沢山の微生物が生きて、動いているのを発見したときのような衝撃でした。
 
音と映像をシンクロさせないで作品を作ることも初めてでした。「シンクロさせない」ということは、撮影の時点から分かっていたことですが、それでも音と映像を同時に捉えるクセが体には染み付いているようで、撮影した素材の多くは映像と音を一緒に使うことが前提のようなものばかり…。編集作業は、当初の予定を10時間以上もオーバーし、完成したのは朝の4時でした!
 
普段、個人で制作をしている私にとっては、チームでひとつの作品を作るというのも、初めての経験でした。私は、タイ人のKe、台湾人のYen、中国人のXiaoboと一緒のチームで、見事に全員が違う国籍。国籍は違うけれど、それよりも、同じ映像制作という共通のつながりがあったので、打ち解けて話すことが出来ました。(編集の過程では、かなり意見の違いがありましたが…!!)
 
撮影をしながら、編集をしながら、普段の生活のことや、自分の国での映画制作事情などをお互いに話しました。どこの国でも、映画を作ること、特にデリケートなテーマで映画を作ることは、資金集めと同様に難しい課題なのだと感じました。それでも、工夫しながら、あきらめずに映像を作り続けている仲間が他の国にいるというのは、心強いことです。いささか楽観主義的かもしれませんが、「草の根の創作活動とつながりが、社会を変えていく!」を信条としている私としては、今回出会えた人々と今後も繋がっていけたら良いと思っています。
 
最後になりましたが、今回、雲南映画道場に参加する機会を与えていただいて、ありがとうございました。一緒に道場に参加した仲間とスタッフの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
 
今回の経験を無駄にしないように、今後に生かしていかないと…ですが(汗)。
 
(終わり)

 

 

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