アジア参加者のコメントより
想像をはるかに超えて「山形」と「道場」は自分にとって大きな意味を持つようになりました。この一か月間の滞在であらゆる物の見方が広がりました。人生、友情、キャリア、選択肢、夢、そしてもちろん、映画。しかし映画作りより多くのことを学びました。他の参加者はわかりませんが、自分にとってDOJOは非常に特別で意義深い事業です。毎年の開催が実現するよう、祈っています。人生において特別な時間となったこの経験は、一生、記憶にとどめようと思っています。
ワークショップ参加者のコメントより
参加者や講師はもちろん、オブザーバーやスタッフの方々とも同じ時間を過ごし、寝食を共にできたことで、全員で合宿しているような感覚になれたのが、とても印象的でした。講義や発表の場があってこそですが、食事の時や温泉で一緒になった時に話した私的なことが心に残っています。
皆、個人として世界と対峙し制作をしている方々だったので、作り方や作家としての生き方について「教える側」と「教わる側」といった一方的な関係に陥らずに、それぞれの映像の内容から根本的に考え、議論することができ、大変面白く、貴重な時間を過ごせました。
ワークショップから得たものは、勇気だと思います。疑いながら、迷いながら、不安をいだきながら、それでも信じると決めた、信じたいと思った方に舵をとる勇気をもたないといけない、それを継続していくための体力と知力、感覚をみがかないといけないと思いました。それは、講師の方たちや参加者の方たちの映画に対するお話を聞く中で、みんな各々の土地(立ち位置)で映画に向かい合っていると感じたからです。あそこには誰がいて映画をしている、そっちにも、こっちにもという事実に、あたたかく背中を支えられている気がします。
企画のプレゼンは、誰かも言っていたようにピッチングの「売る」ために相手にへつらう場ではなく、それぞれの制作者の志向や作品にあわせて参加者が意見を出し合う場になっていて、終わったあとも色んな場で個別にフィードバックができるような余白があったことが大事だと思いました。作品のテーマもアプローチもそれぞれ違ったのも面白く、刺激になりました。参加者の年齢の幅や背景の違いも良かったです。
よく考え抜かれた講師のセレクションに唸らされました。それぞれから学ぶことがたくさんあり、制作者としての自分に問いかけられることが常で、同時に笑いも絶えず、本当に楽しく実のあるセッションでしたし、カウンターポイントとして機能していて、フーガのように奏でられていたと思います。
こういった場での出会いが一回だけのものではなく、今後もつながりが感じられるようなゆるやかなコミュニティーとして持続していくことを、切に願います。
講師のコメントより
今、多分、世界中のドキュメンタリー作家が以前より、より分断された状態で個別に活動を続けている現状があると思います。今回、アジア各地からの参加者がいたのはもちろん、国内でもお互い名前は知っていてもゆっくり議論をしたりする機会の無かった作家たちがこうやって横の繋がりを持つことが出来たことは、各参加者にとって(そこで交わされた議論の中身とはまた別に)かけがえの無い経験になったと思います。私自身も、作品ごとに色々と困難を抱え、毎回「もうこれ以上、映画の仕事を続けるのはやめようか」と思うほどに落ち込む瞬間が結構ある中で、世界各地で困難に挑み続けている人達の話が聞けただけで大きな収穫でした。
些末さ・嫉妬・利己心・肥大した自我・私利私欲と腐敗や、搾取の発想と行為に満ちた不純なこの業界の中で、イノセントな才能の輝きが焦点を失い、信じることや情愛や共感を保つことが困難に直面しているように思います。蔵王の静かな湖でひとり雨のなか散策することは、日常性の泥水の中を航海する中で溜まった余計な澱を捨て、ノイズを消して、魂の集中を取り戻すために必須です。
いろいろ印象に残りましたが、国内外の未知の才能を発見し、出会えた喜びが一番大きいです。
【INDEX 山形ドキュメンタリー道場2018】
・開催概要 Outline
・アルバム Photo Gallery
・参加者 Participants
―製作者紹介 Filmmakers
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